23/5/25 ひたちなか市 遺跡めぐり「いばらきの古墳探訪」。
稲田先生・栗田先生。
■コース。埋蔵文化財調査センター→磯浜古墳群→空の駅そ・ら・ら (昼食)
→舟塚山古墳・府中愛宕塚古墳→くれふしの里古墳公園→
埋蔵文化財調査センター・虎塚古墳。
■磯浜古墳群。
●●01

大洗町教育委員会の先生に案内いただいた。所在地・東茨城郡大洗町磯浜町。
太平洋を臨む400m四方の標高25〜27m の高台に造られた古墳群。
古墳は3世紀後半〜4世紀後半、古墳時代前期〜中期初頭に造られた。6つの古墳、
姫塚古墳・五本松古墳・五本松下古墳・坊主山古墳・日下ヶ塚古墳・車塚
古墳がある。権力を持った首長の墓。古墳は前方後方墳・前方後円墳・円墳と
形が変化する。初めは台地北側の那珂川・涸沼水系や当時のムラを臨む場所に
造られた。その後台地南東の太平洋を臨む場所に造られた。それは墳丘の形の
変化や埴輪をたてるようになる変化とも連動する。海上の船から見上げるラン
ドマーク とも考えられる。那珂川河口部の水運拠点を押さえ、モノの流通網を
掌握した首長像が浮かび上がる。江戸時代後期・磯浜海防陣屋がつくられた。
■姫塚古墳。
●●02

前方後方墳。墳長・29m。高さ・4m。造時期・古墳時代前期前半。3世紀後半頃。
前方部は八の字形に開く。墳丘に沿う周溝は後方部外緑は楕円形に近く、前方
部は狭小となる。小型丸底鉢が後方部西周溝内の最下層から墳丘から転落した
状態で出土。磯浜古墳群の中で最初に造られた。現状墳形は変形している。
●●20

■五本松古墳。墳丘は残って いない。調査は一部に留まり詳細不明。
■五本松下古墳。墳丘は残って いない。調査は一部に留まり詳細不明。
■坊主山古墳。ぼちやのやまこふん。
前方後円墳。墳長・60m級。高さ・6m。造時期・古墳時代前期後葉。那珂川・涸
沼水系で最も古い埴輪を出土。前方部は三方に周濠がある。2020年度に範囲確
認調査を実施。
■日下ヶ塚古墳(常陸鏡塚)。
●●03

前方後円墳。墳長・101m。高さ・10m。周濠を含む総長・128m。築造時期・
古墳時代前期末葉。1949年・日下ヶ塚古墳調査。後円部から粘土槨と 4,000点以上
の副葬品を確認。粘土郭は石室を設けず直接木棺を埋め木管の周囲を粘土で厚
く包む。副葬品は鉄製品・木製櫛・直刀・石釧・滑石製石製模造品・ガラス小
玉・ 鏡・勾玉・管玉。
■車塚古墳。
●●04

円墳。直径・88m。高さ・13m。周濠を含む全径・124m。造時期・古墳時代中期
初頭。全面に石が葺かれ、3段のテラス上には朝顔形円筒埴輪が並んだ。前方部
は八の字形に開き 未発達な周溝がともなう。
●●21

■磯浜海防陣屋。
江戸時代後期・日下ヶ塚古墳一帯は異国船監視の水戸藩磯浜海防陣屋がつくら
れた。1846年・元治甲子の戦により焼失した。
●●05

■空の駅そ・ら・ら (昼食)
●●06

●●07

■舟塚山古墳群。
石岡市教育委員会の先生に案内いただいた。舟塚山古墳群は石岡市高浜から北
根本・中津川にかけてある41基の古墳群。古墳時代前期から造られ中期前半に
舟塚山古墳・中期末から後期初めに府中愛宕山古墳が造られた。後期・終末期
と古墳は造られた。舟塚山古墳は霞ヶ浦から舟が乗り入れる形で入舟と呼ばれ、
府中愛宕山古墳は霞ヶ浦に舟が乗り出す形で出舟と呼ばれる。舟塚山古墳と
府中愛宕山古墳は400mくらい離れている。
●●22

■舟塚山古墳。
●●08

所在地・石岡市北根本。前方後円墳。墳丘の長さ・186m。前方部幅・100m。後
円部径・90m。前方部高さ・10m。後円部高さ・11m。造時期・古墳時代前期〜中
期前半・5世紀前半。埋葬施設の発掘調査は未実施。1972年・周壕確認発掘調
査。円筒埴輪が出土。陪家と考えられる円墳から短甲・直刀・盾の副葬品が出
土している。2011年度に物理探査を実施。
■府中愛宕山古墳。
●●09

所在地・石岡市北根本。前方後円墳。全長・91m。後円部径・57m。前方部幅・
57m。後円部高9m。前方部高さ・8m。造時期・古墳時代中期末から後期初め・6
世紀初め。1897年・東京大学が発掘調査、無文素焼壺7個を見つけたという。
1979年・周溝確認発掘調査。
■くれふしの里古墳公園
牛伏古墳群。4〜7世紀に造られた 16基の古墳。前方後円墳が密集している。
牛伏古墳群を中心に整備された歴史をテーマとした公園。
●●23

■牛伏4号墳。
●●10

所在地・水戸市牛伏町。牛伏古墳群・くれふしの里古墳公園内。2段築成の前方
後円墳。総長・72m。総幅・54m。墳丘全長・52m。後円部径・31m。後円部高さ・
7m。くびれ部幅・19m。前方部幅・35m。前方部高さ・6m。築造年代・古墳時代後期後半・
6世紀後半頃。1995年・発掘調査が実施される。後円部南面に横穴
式石室・花崗岩・乱掘により抜き取られていた。副葬された遺物は金・大刀・
鉄の断片。埴輪は墳頂部とテラス面上の2段に樹立。朝顔形円筒埴輪・円筒埴
輪・正装の男子・女子・馬形。
■はに丸タワー。
●●11

高さ17mの展望塔。近くの杉崎コロニー古墳群の埴輪をモデルにした。
■虎塚古墳。
●●12

所在地・ひたちなか市中根。本郷川右岸台地上にある。
全長・57m。後円部直径・33m。後円部高さ・67m。前方部幅・39m。前方部高さ・
5m。前方後円墳。造時期・7世紀前半。1973年・発掘調査を実施。凝灰岩の横
穴式石室に彩色壁画が確認された。壁画は凝灰岩表面に白色粘土を塗り、
ベンガラで連続三角文・環状文の幾何学文と、靭・槍・楯・大刀の武器・武具
や馬具・装身具の文様が描かれている。天井や床面も赤く彩色されている。
石室の内部から成人男子遺骸・黒漆塗大刀・刀子・鉄鏃が出土した。石室内調
査前に石室内温度・湿度・空気組織・微生物を日本で初めて実施した。