23/3/2 常陸太田市 梅津会館 いばらきTU・NA・GUジオの岩石展示。
いばらきTU・NA・GUジオによる常陸太田市・日立市に関した岩石展示があった。
●●梅津会館。
展示岩石はウミユリ石灰岩・黄銅鉱・角閃石片岩・滑石・寒水石・コートラン
ド岩・砂岩・長石質片岩・泥岩・男体山火山角礫岩・男体山海底火山の溶岩・
ペグマタイト(リチウム)・変成花こう岩・町屋石。
以下の説明が書かれていた。
●ウミユリ石灰岩。
日立市石名坂町・約2〜3億年前の化石、ヒトデやウニの仲間の動物。海底の岩
などに吸着していた。
●黄銅鉱。
日立市・日立鉱山。
●角閃石片岩。
町屋町・旧河西砕石場跡。5億700年前のカンブリア紀の日立変成岩の地層。
●滑石。
ろう石・温石。変成岩。モース硬度1。 柔らかい石。
●寒水石。
結晶質石灰岩・サンゴなどからできた石灰岩が地下で高温を受け結晶した鉱物。
●コートランド岩。
長谷町・火成岩・黒光りする鉱物は角閃石。硬くて重い岩石・地下で2種類の
マグマが合わさり冷えてできた。米国の地名から名付けられた岩石。国内では
長谷町と長野県の2箇所が有名。
●砂岩。
砂が固まった岩石。
●長石質片岩。
カンブリア紀の火山灰等が熱や圧力を受けてできた岩石。
●泥岩。
泥が固まった岩石。さらに圧力がかかると粘板岩になる。
●男体山火山角礫岩。
竜神峡・袋田の滝・西金砂神社本殿をつくる岩石。約 1200万年前 の海底火山
活動で海底に噴出したマグマからできた。海水で冷やされてバリバリに割れて
固まった礫岩。
●男体山海底火山の溶岩。
ガスの出た穴がある。
●ペグマタイト(リチウム) 。
里美の妙見山・地下で花こう岩ができるとき、マグマがゆっくり固まり大きな
鉱物の結晶ができた。妙見山には大きな雲母やリチウムの鉱物 (ペグマタイト)
がある。
●変成花こう岩。
カンブリア紀の花こう岩が白亜紀に熱や圧力を受けた岩石。
●町屋石。
●●町屋石 ボタン。
まだら石・蛇紋岩。町屋石は地下深くのかんらん岩が地上に上昇してくるとき
水の作用で変化した岩石。町屋石を触るとやわらかい。
町屋石の層は町屋町から日立市東河内まで続く。町屋石は町屋町の藤山(富士
山)・二平で主に採石され、特に藤山が模様の良いものを産した。
町屋石の模様には笹目・モミジ・ボタン・霜降り・べっ甲がある。笹目模様は
高級とされた。
●御留山・水戸徳川家と町屋石。
1661年・頼房の墓を花こう岩で作る。
1673年・花園神社参道に現地蛇紋岩で薬師如来石仏が作られる。
1677年・光圀が花園神社参道の薬師如来石仏が蛇紋岩で作られたことを知る。
光圀が瑞龍山に母久昌院の墓を町屋石で作る。
1679年・瑞龍山に頼房の子らの墓を町屋石で作る。
1680年頃・頼房墓の竿石を町屋石で作り替える。
1701年頃・綱条は光圀の墓を町屋石で作る。
その後水戸家の墓は町屋石で作られた。
藤山は水戸藩が御留山として、一般の採石を禁止した。明治時代に解禁された。
町屋石の加工・販売に携わる人が多かった。現在は町屋石を採石していない。
旧町屋変電所跡に笹目・モミジ・ボタン・霜降りなどの町屋石の標本が展示さ
れている。展示されている町屋石は常陸斑石会社の末裔が市に寄付したもの。
●町屋石の主な採掘場所跡。
八沢(東河内)・入文字部(西河内下)・霜降り。造宗・二平・ボタン。宗・二つ
石・ボタン・べっ甲。北沢・モミジ・ボタン。藤山・大笹・モミジ・ボタン・
霜降り。
●石仏。
町屋石で作った石仏がある。町屋石は軟質岩で、鉄製ノコギリで切断でき・木
工用ノミで彫刻でき・ 緻密で結合力があり・磨きやすく・風化に強く崩落や欠
落が起こりにくい。比重は3程度で花崗岩より重く重量感がある。
県内外の町屋石の需要。
水戸徳川家墓所の歴代藩主の墓石・北海道石狩市の弁天社の手水石・福井県敦
賀市の松原神社の石碑・水戸市松本町の共有墓地の「水戸殉難志士の墓」・東海
村村松山虚空蔵境内内のウシとトラの石像・常陸太田市西河内下町の知教院境
内の地蔵菩薩26体・日立市御岩神社境内の石仏、姥神。
●墓石。
江戸時代後期から明治時代になると町屋石の墓石が多い。
江戸時代後期であり各地域の墓地で町屋石の墓石が多く見られる。