20/5/25 那珂市本米崎 上宮寺定例法座 真宗本願寺派。
法話 上宮寺前住職 鷲元明俊師。
[ ]はhp制作者メモ。
■新型コロナウイルスに対して
西本願寺がメッセージをだした。
[20/4/23・新型コロナウイルスの感染拡大に伴う
すべての人へのメッセージポスター。

私のいのちを 大切にすること。
他の人の いのちを 大切にすること。

いま私たちは 大きな不安の中で 生活しています。
目に見えない ウイルスに対する不安。
いつまで続くかわからない不安。
大切な「つながり」が
そこなわれてしまいそうな不安。
そのときは 少し立ち止まって周りを見てみましょう。

「つながり」の中で 生かされている私。
だからこそ いま 私のいのちを大切にしたい。
そのために いま 私にできることを考えましょう。

自分は大丈夫と 過信しない。
必要なものは 人と分かち合う。
根拠のない情報に 振り回されない。
不安が生み出す偏見や差別の心を 持たない。
厳しい状況の中 力を尽くしている方々に 感謝する。

「つながり」の中で 生かされている私たちは 
共にささえあい 力をあわせ 
誰もが安心して生活できる社会を
取りもどしてまいりましょう]

■ああ、弘誓の強縁、多生にも値ひがたく、
真実の浄信、億劫にも獲がたし。
たまたま行信を獲ば、遠く宿縁を慶べ。

[阿弥陀如来の本願には、
時を経てもあうことは難しい。
信心は時を経ても得ることは難しい。
もし、本願にあい・信を得たなら、
遠く過去からの因縁をよろこべ。
念仏申すことはあたり前のことではない。
阿弥陀如来の尊いはたらき・恩徳がある。
感謝して念仏を申せ]

■新型コロナウイルスで大変な時代になった。
100年前も大変なことがあった。
1918年に始まったスペインインかぜ。
死亡者数は世界で2500万人・日本で38万人。
那珂市の人口よりずっと多い。

■今日の話をするのに本を読んだ。
宗教とはどのようなものか。
浄土真宗どのようなものか。
本を読んで考えた。

■5/20は母の命日。
息子・現住職がいった。
おばあさんがいたから私が生まれた。
だから念仏に出あうことができた。
■わたしは母に念仏の御縁をいただいた。
●朝のお勤め・お晨朝あさじを休まないようにいわれた。
さぼらない・阿弥陀様はみておられます。
よくいわれた。
●定例法話会・
最初は人が集まらない。
やめようかとも思った。
しかし母にいわれた。
何人かの人はよりどころにしておられる。
法話会はやらないとだめ。
母一人でも聞くといわれた。
●本日の法話会。
5/14茨城県コロナ宣言解除前は
あまり予定してなかった。
解除になったので迷った。
毎朝お墓にお参りにこられる門徒のかたにいわれた。
「やらないとだめ。
楽しみにしている人がいる」

■聞法は自分の物差しで聞くことでなく、
自分の物差しを聞くこと。
[人は自分の判断基準をもつ。
それは生きてきた体験に基づいたもの。
自分の考えは正しいと考える。
善悪の判断もする。
自分の判断基準を問い返すところが
聞法の場かもしれない。
自分中心であり続ける私の姿は、
私には見えてこない。
その私に阿弥陀如来さまは、
聞法の御縁の場で「それでよいのか?」
と問い続けてくださる]

■去年私の従妹が入院した。
大動脈疾患で入院。
手術をして絶対安静の日が続いた。
ベッドに横たわった従妹。
のどが渇いた。
看護師さんに水を飲みたいといった。
手術後で水を飲めなかった。
看護師さんは脱脂綿に水を含ませたものをくれた。
脱脂綿を口に入れた従妹。
本当に脱脂綿の水が美味しかった。
脱脂綿の後は氷になった。
その後水を飲めるようになった。
水を飲めることがありがたかった。
死んであたりまえ。
それが今生きている。
朝めが覚めて
起きれることがありがたい。
気づきがあった。
それが念仏の力。

■ムヒカ大統領氏
南米ウルグアイのホセ・ムヒカ前大統領。
1935年生まれ。
ムヒカ前大統領の月給は100万円。
80万は寄付。
10万円は??
残り10万円が生活費。
●自家用車は30年乗ったフォルクスワーゲン。
官邸には住まず官邸から少し離れた自宅に住んだ。
自家用車を自分で運転して通勤した。
政府専用機は使用しなかった。
●世界でいちばん貧しい大統領と呼ばれた。
その言葉に対して
「私は貧しいのではない。
質素な暮らしをしているだけ」
といった。
●ブラジル・リオデジャネイロでのムヒカ大統領演説。
●貧乏な人とは、
少ししか物を持っていない人ではない。
無限の欲があり、
いくらあっても満足しない人のことだ。
●今私たちが、
乗り越えなければならないのは
私たちの文明のモデルであり、
見直すべきは私たちの生き方だ。
●人間の幸せは物質的なところには存在しない。
●物を大切にして暮らす生活。

●上宮寺のタケノコ。
寺にはタケノコが多くでる。
今年はコロナで売れなかった。
タケノコをのばしたままにすると大変なことになる。
間引かないといけない。
間引いたタケノコの処分を考えた。
千葉の親戚からヒントを得た。
今年はメンマを作った。
いろいろとやってみた。
大きな鍋で煮込んで作った。
[帰りにお土産でいただく。
とてもおいしかった]
捨てようとしたものを活かす。
大切なことだ。
●ムヒカ前大統領。
ゲリラ活動をしていた。
37〜50歳・刑務所でくらした。
独房生活もあった。
水の代わりに自分の小便を飲むこともあった。
ベッドひとつをもらったことがあった。
とてもうれしかった。

●コロナウィルスを機会に
生き方を見直すことが
必要かもしれない。
最近の異常気象による水害・風害など
何か大切なことを暗示しているのかもしれない。

●5/14読売新聞朝刊の記事 
自給できる仕組みを考え生活していた。
コロナウィルスの状況の中でも
いつもと変わらない生活をしている。
山奥での自給自足の生活は
コロナウィルス社会には強いかもしれない。

●中国・インドでは空気がきれいになったらしい。
●経済活動を優先した生活。
この生活の方法を見直す時期なのかもしれない。


■病での気づき。
52歳の女性が脳溢血で倒れた。
自宅で療養した。
医者が毎日往診してくれた。
女性は最初何も話せなかった。
少しずつ医者に話せるようになった。
聞き上手な医者だった。
女性が医者に言った。
病気になる前は考えなかったことを考える。
春にはなぜ花が咲くのだろう。
不思議なことだ。
ツバメはなぜ毎年戻ってくるのだろう。
今まではあたりまえのことだと思っていた。
何か大きなはたらきを感じる。
あたりまえのことに感謝です。
仏のみ教えにであうために
うまれてきたことがわかった。
病気に感謝しています。


■ある教誨師のはなし。
受刑者の前での話がおわる。
受刑者より質問。
「先生は不正直だから
刑務所に入らない。
私は正直だから
刑務所にはいっている。
先生は心の中に罪はないのか。
罪があれば
閻魔大王に罰を与えられる。
どう思うか」
教誨師。
「たしかにそうだ。
心の中に罪をもっている。
正直者がいるここは
天与の場所かもしれない。
しかし、不思議に感じるとがある。
正直者の場所なのに、
君の顔は不平・不満を持っているように見える。
ゆっくり・明るく・楽しくらせたらよい」
後日、質問者から教誨師に手紙が届いた。
「麦畑に行った。
年に1度の麦畑。
今までは逃亡の事ばかりを考えていた。
今年はちがった。
ひばりの声が聞こえた。
私を悩ませていたものに
先生のはなしから気づかせていただいた。
青空の中にひばりをみた」
質問者はその後刑期が短縮され出所した。

■目の見えない老僧のはなし。
老僧は視力を失った。
私が不幸に見える?
目は失ったが気づきがあった。
葬儀・法事など時は、迎えに来てもらう。
荷物を持ってもらう。
肩に手をおかせてもらう。
このように人と支え合いながら生きている。
目を失ってはじめてわかった。
■聖人一流の御勧化のおもむきは
信心をもってほんとせられ候、
そのゆえは もろもろの雑行をなげすてて
一心弥陀に帰命すれば、不可思議の願力として
仏のかたより往生は治定せしめたもう、
そのくらいを一念発起入正定之聚とも釈し、
そのうえの称名念仏は 如来わが往生を定めたまいし、
御恩報尽の念仏と こころうべきなり、
あなかしこ あなかしこ。

■住職のはなし。
今、地球がきれいになった。
コロナウィルスで
飛行機・船・自動車がとまっている。

■掲示板のことば。
絶望の反対語は希望ではなくて
ユーモアじゃないかな
(宇多田ヒカル)
真剣に思い悩むのじゃなくて
悩んでいる自分を
からかうこと
すると楽になる
道はひとつではない!!