19/11/14 常陸太田市東連地 青蓮寺 七歩の会 第8回釈尊最後の旅。

■釈尊は生まれ故郷に帰り没したいと思ったのでは。
舎利弗・目連はすでに生まれ故郷で没していた。

■戦争を仕掛けようとする国王へのことば。
自分の領土を拡大しようとした国王がいた。
国王は戦を仕掛ける前に、釈尊へ伺いをたてた。
国王自らでなく家臣を釈尊に遣わした。
家臣は国王の考えを釈尊に伝えた。
釈尊は家臣に言った。
攻めようとしている国についてたずねた。
●攻めようとしている国では、
しばしば会議を開き、会議には多数の人が参加するか。
家臣。はい。
●共同して集合・行動・なすべきことをなしているか。
家臣。はい。
●決められた法に従い行動しているか。
家臣。はい。
●同族の古老を敬い、尊び、崇め、もてなし、
古老の言葉を聞くべきものと考えているか。
家臣。はい。
●婦女・少女を暴力をもって連れたしとめることをしていないか。
家臣。はい。
●同族の都市内外の霊域を敬い、尊び、崇め、
支持し、法になった供物をかかさないか。
家臣。はい。
●真人・尊敬されるべき修行者を保護・防禦・支持しているか。
真人たちが領土に安らかに住むことを願っているか。
家臣。はい。
釈尊の問いは一般的なもの。
攻めようとしている国は悪い国ではないことを家臣に知らせている。
戦争の是非についての答えはしない。
問うてきた家臣に判断させる方法をとっている。

■釈尊は頭ごなしに善い悪いはいわない。
一般的な原則を説いて相手に考えさせる。
■仏教の特徴。
●協和の精神。
会議を開き総意で決定。
●人が守るべき理法は永遠のもの。
●いかなる宗教も認める。

■修行僧に教える。
衰亡をきたさないための7つの法。
●しばしば会議を開く。
●協同で集合・行動・教団の為すべきことをなす。
●戒律をたもち実践する。
●経験豊かな長老を敬い、言うことを聴く。
●愛執に支配されない。
●林間に住むことを望む。
●よき修行者がくること・修行者の快適に住むことを願う。

■世俗人―の教え。
●なげやりになることは苦をつくる。
●人間としての道を実行・戒めをまもる。
●殺さず・盗まず・婬せず・欺かず・飲酒せず戒を奉じて忘れず。
釈尊はつつしむことを説いた。
飲酒せずとは、酒を楽しむ程度にして、飲みすぎるな。
ほとほどに「つつしんで」飲めといっているようだ。
めいめいのひとに自分の運命をみきわめるように説いた。
頭ごなしの説法で無く、相手によく考えさせる説法だった。

■釈尊最後の説法。
わたしはすべてのものに理法を説いた。何もかくしたものはない。
この世で自らを島として、自らをたよりとして、
他のものをたよりとせず、
法を島とし、法をよりどころとして、
他のものをよりどころとするな。
「自灯明 法灯明」 
「自帰依 法帰依」
真理は万人のものである。
釈尊は自分が教団の指導者ということを自ら否定している。
たよるべきものはめいめいの自己である。
それは、普遍的な法に合致すべくものである。
親鸞聖人は「親鸞は弟子一人ももたず」といっている。
釈尊と同じように考えている。