19/7/25 那珂市本米崎 上宮寺定例法座 真宗本願寺派。
山田義俊師 林光寺(東京都新宿区)住職。浄土真宗本願寺派。
■歎異抄には、「・・・のため・・・」の表現が多くでてくる。
●序。
ひとへに同心行者の不審を散ぜんがためなりと云々。
●第1条。
罪悪深重・煩悩熾盛の衆生を助けんがための願にまします。
●第2条。
ひとへに往生極楽のみちを問ひきかんがためなり。
●第3条。
悪人成仏のためなれば、他力をたのみたてまつる悪人、
もつとも往生の正因なり。
●第5条
親鸞は父母の孝養のためとて、
一返にても念仏申したること、いまだ候はず。
●第8条
*念仏は行者のために、非行・非善なり。
*ひとへに他力にして、自力をはなれたるゆえに、
行者のためには、非行・ 非善なりと云々。
●第9条
他力の悲願はかくのごとし、
われらがためなりけりとしられて、
いよいよたのもしくおぼゆるなり。
●第12条
*となえやすからんための名号におはしますゆえに、
易行といふ。
*「念仏はかひなきひとのためなり、
その宗あさし、いやし」といふとも、さららにあらそはずして、
*さらに上根のひとのためには、いやしくとも、
われらがためには最上の法にてまします。
*たとい自余の教法はすぐれたりとも、
みづからがためには器量およばざれば、つとめがたし。
●第13条
*往生のために千人ころせといはんに、
すなはちころすべし。
*御消息に、「薬あればとて、毒をこのむべからず」と、
あそばされて候ふは、かの邪執をやめんがためなり。
*煩悩を断じなば、すなわち仏に成り、
仏のためには、五劫思惟の願、その詮なくやましまさん。
●第14条。
*これは十悪・五逆の軽重をしらせんがために、
一念・十念といえるか、滅罪の利益なり。
●後序
*弥陀の五劫思惟の願をよくよく案ずれば、
ひとえに親鸞一人がためなりけり、
*如来の御恩のたかきことをもしらずして迷へるを、
おもへしらせんがためにて候ひけり。
*ひとの口をふさぎ、相論をたたんために、
まったく仰せにてなきことをも仰せとのみ申すこと、
あさましく歎き存じ候ふなり。
*一室の行者のなかに、
信心異なることなからんために、
なくなく筆を染めてこれをしるす。

■ブータンでは
自分のためのお祈りをしない。
皆の幸せをお祈りする。
■シャリハンダガはわたしのこと。
シャリハンダガは記憶力が大変に悪かった。
何年間もそうじをした。ほうきでさとりをひらいた。
愚か者の代表。
シュリハンダはわたし。

■少年院で布団を干すことをやっている。
干した子どもが歌を詠んだ。
「陽のにおい 母のにおいや ほしぶとん」
干した布団に寝ていると何とも気持ちがよい。
何もしてくれない母と思っていた。
干した布団に寝ていると、母は布団を干してくれていた。
生まれてからずっとお世話になりどうしだった。
いろいろなことが思い出された。
自分はひとりで生きてきたのではなかった。
あたたかい母の愛情に育てられた。
■34代がわりをすると、関係した人は80億人になる。
私・私の親・私の親の親・・・・。
子どもに対してどの親も「幸せになれ」と望んでいる。
私がいまここに生きているには多くの人の望みがあってのこと。
そのように考えると、いいかげんには生きられない。
■らい病を患っているひとが、朝起きて外に出て詠んだ歌。
「今日は大地は私をのせてくれている」
らい病のわたしでも台地はわけへだてることなく
わたしをたたせてくれている。
■死刑を受けた受刑者のことば。
「先生、私が先にお浄土にいって、
**先生・親鸞聖人・阿弥陀様にあわせていただけます」
■歎異抄は何回か読んでもわかることは難しい。
何度も読み返しすることが大切に思う。。
唯円は親鸞聖人の言葉をいつも真剣に聞かれたのだろう。
そうでなければ、歎異抄はかけない。
私など今まで生きてきて何か書ける言葉があるだろうか。
何もない。

■前住職のはなし。
●耳の底にとどまるところこれを捨てず。
唯円はなくなく歎異抄を書かれた。
みなさん、耳の底に何がのこっていますか。
私は何もない。入ってきてもすぐに出ていく。

●おばあちゃんの新聞。
元出雲市長。元衆議院議員 岩国さんの投稿文の紹介。
岩国さんは大阪で生まれた。
父親を早くに亡くし、母の実家島根で育った。
小さいときに、40件の家の新聞配達・牛乳配達をする。
岩国さんの家は、経済的に新聞購入ができなかった。
配達先のおじいちゃんの家で新聞を読ませてもらった。
おじいちゃんは、「てつんどさん、家においで」といってくれた。
毎日、新聞を読んだ
中学生になった。
新聞を読ませてくれたおじいちゃんが亡くなる。
おばあちゃんが「またおいで」
「勉強して立派な人になるんだよ」といってくれた。
中学を卒業する時、おばあちゃんが亡くなった。
葬式に出席する。
となりのおじさんが教えてくれた。
「てつんど、おばあちゃん字読めなかったのを知っていたか。
おばあちゃんは、てつんどが新聞を読みにくるのが楽しみで。
読めない新聞を購入していたんだ」
てつんど少年は、大泣きした。
・・・
ひとりひとりの上には、
多くの人のおもいが影響している。と感じた。

皆さん、死亡率は100%です。
今ここにおられる皆さまのおかげで
聞法も次につながっています。

つばきに関する歌。
「受け止める 大地のありて 椿落つ」

南無阿弥陀仏・南無阿弥陀仏。


■お寺の掲示板にあった詩。
足の裏
足の裏はいつもきたないところに接しているのに
文句ひとつもいわずに
私を支えてくれている
えらいな えらいなと
軽石で こすってやると
ケラケラと 笑いながら
いいよ いいよと こたえてくれた