18/9/29 那珂市瓜連町 水戸・歴史に学ぶ会 
明治維新150年記念講座 明治維新と常福寺。
仲田昭一先生  < >はhp制作者メモ。
●廃仏毀釈は、日本文化の損失だと思っている。
常福寺・静神社。神社仏閣維持。維新後は常福寺衰退した。
神社は氏子が守る。寺は檀家が守る。
●板碑。那珂市にないと思っていたが、緑泥岩の板碑が瓜連からでてきた。
白い蓮が咲いていた。了実上人。益子。円通寺訪ねるのがおすすめ。
●下大賀、版木が残っていた、版木の文化があった。
●静神社、神社を守る神宮寺があった。
常福寺は勅願所、紫衣、朝廷からいただいている。
<常福寺は、延元年中(1336~)了実上人によって開山。
宝徳4年(1452)、後花園天皇から「勅願所」の綸旨を賜る。
天文12年(1543) 第九世空誉玉泉上人の代、
後奈良天皇から宸筆の寺号「常福寺」の勅願を賜る。
知恩院の末寺となる。
延宝4年(1676) 光圀の奏により、常紫衣の綸旨を賜る。
以来、水戸徳川宗家の菩提所となる。
助川城の家老山野辺家の菩提所となる>
●根本は朝廷。徳川時代、朝廷の存在が一般の人に知られている。
古文書、上皇が亡くなったしらせを記す庄屋への通知が見つかった。
幕末だけが尊王でなかった。

■徳川時代の仏教保護。
●寺請制度。
檀家制度、人別帳作成。
これは仏教界の緊張緩和・腐敗(僧侶は遊人)にもなった。

●水戸藩の社寺改革。
・光圀時代。由緒不明な社寺の廃止(神仏分離)  八幡潰し。

・斉昭時代。神仏分離、氏子制度、社寺整理(廃寺・廃仏)、露地の石仏石塔の廃棄。
「将来は無仏国に、しかし改革は慎重に」と寺社奉行に厳命。
火葬は仏教の影響から禁止に(天保4年) 
→自然葬(神式)の奨励。
軍事面から釣り鐘没収(天保13年 1842)から。
向山常福寺・・・南北朝時代からの古刹、
浄土宗、関東十八檀林のひとつ。
芝増上寺に次ぐ。
位牌所取りやめ、瓜連の旧跡に戻し、
寺領没収・住職閉門。→本山知恩院・増上寺をたより抵抗。
吉田薬王院・・・平安時代以来の天台宗の古刹。
寛永寺に嘆願、寛永寺は輪王寺宮門跡を頼み申し入れるも斉昭拒否。
磯浜村岩舟の願入寺 浄土真宗 光圀、
久米村から移転祝町遊里設置など保護、養女入嫁 。
→久米旧跡へ移転、遊里移転。
★幕府の仏教重視の宗教政策と衝突の可能性があった。

■徳川斉昭と常福寺。
天保5年 1834 藩主斉昭、隠居寺瓜連常福寺参詣。
天保14年 1843 藩主斉昭が向山常福寺を瓜連へ差し戻しの命令。
瓜連は「草地山蓮華院常福寺」として復活。
<浄鑑院常福寺 現在の那珂市額賀にあった。
光圀の時開山。
常福寺住職清誉上人とし、常照山心光寺浄鑑院と号した。
1709年 浄鑑院常福寺とした。斉昭が梵鐘提出命令。
抵抗し斉昭の怒りとなり瓜連に移転。
伽藍は残った。
が、天狗諸生の乱で焼失>

弘化元年(1844) 斉昭隠居謹慎。
 →神仏習合復活・廃仏毀釈撤廃。
浄鑑院は向山へ寺跡再興、住職の帰寺。
村々から檀家制度・寺院再興の願書。
天狗諸生の争乱。額田原の戦いで向山浄鑑院消失。

■明治維新と廃仏毀釈。
●仏教排撃の思想。
国学 本居宣長 平田篤胤・
儒学 林羅山・崎門学 山崎闇斎・
古学 中江藤樹。
異国船の来航・歴史回顧・学問の興隆
 → 国民的自覚の勃興 → 神仏分離。
尊王攘夷思想の高揚 →討幕運動・王政復古。

●神道の宣揚。
明治元年1868 神仏分離令。
明治3年 1870 大教宣布令。
<大教宣布詔。明治天皇の詔書。
天皇に神格を与え、神道を国教と定める。
日本を「祭政一致の国家」とする>

●廃仏毀釈。
明治4年 1871 社寺領上地令。
奈良興福寺 五重塔・・・安価で売り出し。
鎌倉大仏・・・地金の値段で国外への危機。
天平写教・・・荒縄で縛られ古物商の店頭。

■明治維新と常福寺。
●廃仏毀釈と常福寺。
明治元年1868 神仏分離令。
明治2年1869 水戸藩内寺院の神仏分離具体策の願書。
瓜連蓮華院常福寺荒廃。
主神を白山神社、副神を藤(富士)神社・志津(静)神社とし神社崇拝。
僧侶は神官となる。
明治4年 1871 社寺領上地令断行。荒廃をきわめた。

●天保の社寺改革で廃寺となった寺院の廃寺跡復立運動。
明治9年ころ? 元住職・檀家総代・正副戸長らから廃寺跡復立運動起こる。
復寺願いを県に提出。
水戸神応寺・酒門町林光寺・本米崎上宮寺・額田阿弥陀寺・毘瑠遮那寺・
戸村文殊院・南酒井出蒼龍寺・下大賀弘願寺など復立再興。

●常福寺の再興。
明治9年(1976) 覚門上人、寺院復興に尽力。

●斉昭、尊王・民に苦役。
斉彬、まつりごと民も一緒に。

■常福寺 浄土宗。



常福寺裏 瓜連城の跡。





水戸藩家老 山野辺家の墓。

コムラサキ。





水戸藩家老 山野辺家の墓。





キンモクセイ。