13/11/22 北茨城市大津町長浜 風船爆弾放流地跡。

風船爆弾放流地跡 
わすれじ 平和の碑

新しい誓い 
海のかなた 
大空のかなたへ 
消えて行った 
青い気球よ 
あれは幻か 
今はもう 
呪いと殺意の 
武器はいらない 
青い気球よさようなら 
さようなら戦争

・・・・北茨城市平潟町出身 
作家 鈴木俊平さんの詩

この地から1944年11月から1945年4月の間、
アメリカ本土に向けて風船爆弾を放流させた。
背後の低い丘と丘にはさまれ、
田んぼになっているいくつかの沢に、
放流台や兵舎、倉庫、水素タンクなどがあった。
放流地は、
ほかに福島県勿来関麓と千葉県一の宮海岸。
大本営直属の部隊本部は平潟にあった。
晩秋から冬、
太平洋の上空8,000mから12,000mに、
偏西風が吹く。
風船爆弾は50時間前後でアメリカに着く。
電気装置と爆弾と焼夷弾を投下したのち、
和紙とコンニャクのりで作った
直径10mの気球部は自動的に燃焼する仕掛けだった。
第2次大戦中に日本から10,000kmのアメリカへ、
超長距離爆弾を実行。
世界史的にも珍しい事実として記録される。
約9,000個放流し、
約300個到達。
アメリカの被害は、
山火事、送電線を故障させ原子爆弾製造を3日間遅らせた。
オレゴン州には風船爆弾による6人の死亡者の碑がある。
ワシントンの博物館には
不発で落下した風船の1個が展示されている。
戦争はむなしく、はかない。
もう二度と繰り返さない。
この地で爆発事故のため、
風船爆弾攻撃の日に、
3人が死亡している。
永遠の歴史の片隅で人目を忍び、
いぶし銀のようにささやかに光る夢の跡。