10/4/24他 日立市東河内町 玉簾寺ぎょくれんじ 臨済宗円覚寺派。
山号は瀑布山。
本尊 聖観世音菩薩。
1678年、徳川光圀が建立。
玉簾の滝たまだれのたき
玉簾寺裏側の滝。
徳川光圀は、中国の廬山に似た景色を激賞。
徳川家康から贈られた、
定朝作と伝えられる聖観音像「宝冠阿弥陀如来坐像」を寄進した。
岩石の間から落ちる水は四季絶えることがない。
岩に飛び散る「すだれ」のようであり、
光圀白ら「玉簾の滝」と命名した。
■徳川斎昭の歌
紅葉せし 木の間の滝の 玉すだれ
落つる錦を きてこそまされ
高さ 約20m 幅 約5m。
■水戸光圀漢詩
玉簾爆
飛泉倒断崖
乱沫散微糸
白布懸空曝
玉簾穿岳垂
雷声轟地軸
雲額払山眉
千歳徐凝後
為吾洗悪詩
■飛泉 断崖に倒さかしまに
乱沫 徴糸を散ず
白布 空に懸けて曝し
玉簾 岳を穿つて垂る
雷声 地軸を轟かし
雲額 山眉を払う
千歳 徐凝の後ち
吾が為めに悪詩を洗え
■滝は断崖を真っ逆さまに落ち、
しぶきは乱れて細い糸をまき散らしている。
まるで白い布を空にさらし、
玉のすだれを山間に垂らしているようだ。
音は雷のように大地を轟かし、
雲と山が額と眉を接しているように奥深い。
唐の詩人徐凝は、
廬山曝布の李白に和して作った詩で蘇軾に笑われた。
あれから千年、
この玉簾の滝では、
そんなみっともないことにならないように、
私の拙い詩を洗い流しておくれ。
義公56歳の時の作といわれる。
「水戸光圀の漢詩を尋ねて」大林林造著より
■芭蕉の句
松風の於ち葉可水能音寿ヾし
松風の落ち葉か水の音すずし