「昭和20年8月1日水戸空襲」    
河又信夫 73歳 水戸市在住。

毎晩毎晩、
空襲警報。
その度に使っている夜具、食器、
少しばかりの食べ物を庭に出す。
やがて、
疲れて何も出さなくなった頃、
水戸は空襲の焼夷弾で攻撃された。
雨のように落とされる爆弾で
家は燃え上がり、
空は真っ赤になった。
子供は泣き叫び、
人を乗せたり、
荷物を積んだ荷車が逃げ廻る。
家は焼けても消す気力が出ない。 
ただ見ているだけだった。