「運命の防空壕」    
是永仁 68歳 岩間町在住。

昭和20年7月13日
午前11時(推定)
雲間に見える艦載機、
轟音響く我が町の、
少年の心をうち砕き、
荒れ野のごとき心なり。
空襲警報鳴り響き、
サイレンの音痛ましく、
防空頭巾身に付けて、
脱兎のごとく逃げ迷う。
未来も見えず暗やみの、
心身ともにカなく、
今を生きる望みだけ、
手を取り合って誓い合う。
栄枯盛衰人の世の、
物資の不足に苦しみて、
忍耐強く生きていく。