「忘れ得ぬ想い出」〜疎開してから
大場さと 91歳 水戸市在住。
やがて学童疎開もはじまり
子供達は田舎へと次に強制疎開もしかれる。
私達は5オの子と8ヶ月の男子を連れて
主人のみ外宿家に依頼して
主人の故郷に疎開しました。
田舎でも空き家は疎開者で満杯、
やっと学校近くの古い小さな家が
親子3人の住家となり、
不自由な生活に堪えました。
小学校には赤紙で応召された新兵さんが
毎日訓練や防空壕掘を作業しており、
私達住人も時折土運びの奉仕もありました。
警戒警報が報じられる度に
夜間でも昼間でも子供を連れて
近くの壕に退避し解除を待ちました。
またB29の飛来も何回もあり、
日立、勝田方面の艦砲射撃も耳にし、
最後は水戸市も
B29の戦闘機による爆撃で壊滅され、
天を真っ赤に焦がし、
私達の住む地まで明るさは
しばし消えませんでした。