●「空襲体験の絵」作品集まえがき。
私たちは皆で協力して「空襲体験の絵」の展示会を開催してきました。
空襲を体験した者が、
57年以上も前に受けた個々の心象を、
切に思い起こして一生懸命に描いた絵画です。
一般公募によって28枚の絵が集まりました。
これらは紛れもなく現代の史実です。
本土で空襲を体験した人々は、
主として銃後の守りに就いた主婦と、
兵役を外れた高年・低年齢層の一般庶民が主体です。
この人々の心象が絵画と説明文によって描かれたものです。
このような他に類が少ない記録は、
ぜひ次の世代の戦争を知らない多くの人々に見て欲しいと願ったものです。
会期を通して500人以上の方々が鑑賞に来られました。
その感想文を読むと、
絵画の作者の心象がひしひしと鑑賞者に伝わり、
読む者をして感動させ、
また勇気づける程でした。
今回、作品は水戸市に寄贈されましたが、
これらの作品による展示会が、来年以降も、
また水戸市以外でも多くの場所で開催され、
広く活用されることを願っております。
また、全国各地で戦争体験者の描いた絵画が史実として集められ、
展示されることを祈っております。
体験者は刻々と老いるばかりでしょう。
展示会に出品された空襲体験の28点の作品は、
説明文と共にすべてこの作品集に収めました。
展示会の開催、
作品集の製作には多くの人々の御協力を頂きました。
これらの御協力なくしては成し遂げ得なかったことです。
深く感謝申し上げます。
良い思い出として残ることを希望して筆を置きます。
平成14年12月吉日 主催者まえがき