送別  王維
下馬飲君酒 馬より下りて 君に酒を飲ましむ
問君何所之  君に問う 何いずくにか之ゆく所ぞ
君言不得意  君は言う 意を得ず
帰臥南山睡  南山の陲ほとりに帰臥きがせん
但去莫復問  但だ去れ復た問うこと莫なからん
白雲無尽時  
白雲尽くる時無し

馬からおりて、君に酒をついでさしあげる。 
ところでたずねるが、君はいったいどこへ行くのか。
君は言う、志を得ないから、南山のほとりに隠退してしまうつもりだと。
そうか、では行きたまえ、もうこれ以上何も聞くまい。 
君の行く南山には、白雲が永遠に尽きることなく浮かんでいることだろう。


石川 冬の詩100選 NHKライブラリーより