邯鄲少年行 高適
邯鄲城南游侠子  邯鄲かんたん城南 游侠の子 
自矜生長邯鄲裏  自ら矜ほこる 邯鄲の裏に生長すと
千場縦博家仍富  千場 博を縦ほしいままにして 家仍なを富み
幾処報讎身不死  幾処か讎あたを報じても身は死せず
宅中歌笑日紛紛  宅中の歌笑かしょう 日に紛紛
門外車馬如雲屯  門外の車馬 雲の屯たむろするが如し
未知肝胆向誰是  未だ知らず 肝胆誰に向かってか是ぜなる
令人却憶平原君  人をして却かえって平原君を憶おもわしむ
君不見今人交態薄  君見ずや 今人の交態の薄きを
黄金用尽還疎索  黄金用い尽くせば 還また疎索
以茲感歎辞旧遊  茲ここを以て感歎して 旧遊を辞し
更於時事無所求  更に時事に於て 求むる所無し
且与少年飲美酒  且しばらく少年と美酒を飲み
往来射猟西山頭  往来し射猟せん 西山の頭に