秋月悌次郎
落木悲風月光暗く らくぼくひふう げっこうくらく
中宵涙を揮って起って彷徨す ちゅうしょう なみだをふるって たってほうこうす
生きて降虜となり豈過ぎたるに堪んや いきてこうりょとなり あによすぎるにたえんや
即ち是新捧朋戦死の場 すなわちこれしんぽう せんしのば
斯山と僅かに隔つ即ち会津 このやまとわずにへだつすなわちあいづ
雲晴れ天半玉のようにリンシュン くもはれ てんはんぎょくのようにりんしゅん
老囚誰か識る笑中の涙 ろうしゅう だれかしる しょうちゅうのなみだ
唯見る我妻親を見ず ただみる わがつまおやをみず
囚余措大余栄あり しゅうよせきだいよえいあり
何ぞ図らん九死に一生を得んとは なんぞはからんきゅうしにいっしょうをえんとは